導入
ドメイン駆動設計(DDD)は、ビジネスロジックを中心に据えることで、複雑なシステムの設計を容易にします。本記事では、中級レベルのTypeScriptを用いて、架空のプロジェクトを通じてドメイン駆動設計の実践的な適用方法を探ります。特に、実際の開発現場での具体的なシチュエーションに焦点を当て、設計上の落とし穴や改善ポイントを明確にします。
教科書レベルの解説(ドメイン駆動設計)
重要な概念の整理
ドメイン駆動設計は、ビジネスのドメインに対する深い理解をもとに、システムを設計するアプローチです。重要な概念には、エンティティ、バリューオブジェクト、アグリゲート、リポジトリなどがあります。これらの要素は、ビジネスロジックを適切にモデル化し、保守性や拡張性を高めるために不可欠です。
コード例(TypeScript)
class Product {
constructor(public id: string, public name: string, public price: number) {}
}
class Order {
private products: Product[] = [];
constructor(public id: string) {}
addProduct(product: Product) {
this.products.push(product);
}
calculateTotal(): number {
return this.products.reduce((total, product) => total + product.price, 0);
}
}
const order = new Order('1');
order.addProduct(new Product('p1', '商品A', 1000));
order.addProduct(new Product('p2', '商品B', 2000));
console.log(order.calculateTotal());
コードの行ごとの解説
class Product– 商品を表すエンティティクラスです。ID、名前、価格のプロパティを持っています。class Order– 注文を表すクラスで、複数のProductインスタンスを管理します。addProduct– 注文に商品を追加するメソッドです。calculateTotal– 注文内の全商品価格の合計を計算するメソッドです。const order = new Order('1');– 新しい注文を作成します。console.log(order.calculateTotal());– 注文の合計金額を出力します。
ケーススタディ編
架空のオンラインストアを想定し、注文管理機能を開発するシナリオを考えます。このプロジェクトでは、ドメイン駆動設計の原則を適用することで、ビジネスロジックの明確化とシステムの柔軟性を高めることを目指します。
最初の段階で、エンティティとしてProductとOrderを定義しました。これにより、商品情報と注文情報を明確に分離し、それぞれの責任を持たせることが可能となります。
しかし、実際の開発では、Orderクラスに多くの機能を詰め込みがちです。この場合、単一責任の原則に反し、コードが複雑化する危険があります。これを防ぐために、注文処理や合計計算などの機能を別のクラスやサービスに分け、リファクタリングを行うことが重要です。
まとめ
- ドメイン駆動設計を適用することで、ビジネスロジックを明確にモデル化できる。
- エンティティやバリューオブジェクトの責任を明確に分けることが、保守性を高める。
- コードの複雑化を避けるために、機能を適切に分割することが重要である。