C#中級

中級 C#で学ぶオブジェクト指向設計|解説編

導入

オブジェクト指向設計は、ソフトウェア開発において非常に重要な手法です。特にC#を用いた開発では、その特性を活かした設計が求められます。本記事では、実務でよく遭遇する具体的なシチュエーションを通じて、オブジェクト指向設計の概念を深く掘り下げていきます。

教科書レベルの解説(オブジェクト指向設計)

重要な概念の整理

オブジェクト指向設計は、クラスとオブジェクトを中心に構築されます。クラスはオブジェクトの設計図であり、オブジェクトはその実体です。オブジェクト指向の基本的な概念には、カプセル化、継承、ポリモーフィズムがあります。これらは、コードの再利用性や保守性を向上させるために非常に重要です。

コード例(C#)


public class Vehicle
{
    public string Make { get; set; }
    public string Model { get; set; }
    
    public virtual void Start()
    {
        Console.WriteLine("Vehicle is starting.");
    }
}

public class Car : Vehicle
{
    public int NumberOfDoors { get; set; }
    
    public override void Start()
    {
        Console.WriteLine("Car is starting.");
    }
}

public class Program
{
    public static void Main(string[] args)
    {
        Vehicle myCar = new Car { Make = "Toyota", Model = "Camry", NumberOfDoors = 4 };
        myCar.Start();
    }
}

コードの行ごとの解説

  1. public class Vehicle: 車両を表す基本クラスを定義します。
  2. public virtual void Start(): 車両がスタートするメソッドを定義します。このメソッドは派生クラスでオーバーライド可能です。
  3. public class Car : Vehicle: Vehicleクラスを継承したCarクラスを定義します。
  4. public override void Start(): Carクラス特有のスタートメソッドを実装します。
  5. Vehicle myCar = new Car {...}: Vehicle型の変数にCarオブジェクトを代入し、ポリモーフィズムを示します。
  6. myCar.Start();: myCarオブジェクトのスタートメソッドを呼び出します。実際にはCarクラスのメソッドが実行されます。

解説編

このコード例では、基本的なオブジェクト指向の概念である継承とポリモーフィズムを実践的に示しています。Vehicleクラスを基にCarクラスが派生し、各クラスに特有の振る舞いを持たせています。この設計は、将来的に他の車両タイプ(バイクやトラックなど)を追加する際に、既存のコードを大きく変更することなく対応できる利点があります。

ただし、注意が必要なのは、クラスの設計を行う際に、無闇に継承を使うことです。継承関係が深くなると、コードの可読性や保守性が低下することがあります。代わりに、コンポジションを用いてオブジェクトを構成することも一つの手段です。

まとめ

  • オブジェクト指向設計は、クラスとオブジェクトを中心に構築される。
  • 継承とポリモーフィズムは、コードの再利用性を高める重要な概念である。
  • 設計時には、無闇な継承を避け、コンポジションを考慮することが重要。