Java上級

上級 Javaで実装するデザインパターン実践集|ケーススタディ編

導入

デザインパターンは、ソフトウェア開発における共通の課題に対する解決策を提供します。特に、Javaを用いたシステム開発においては、効果的なデザインパターンの適用がプロジェクトの成功に直結します。本記事では、架空のプロジェクトを通じて、特定のデザインパターンがどのように実際の業務に役立つかを具体的に示します。

教科書レベルの解説(デザインパターン実践)

重要な概念の整理

デザインパターンには、生成、構造、行動の3つのカテゴリがあります。生成パターンはオブジェクトの生成に関するもので、構造パターンはオブジェクトの構造を扱い、行動パターンはオブジェクト間の通信や振る舞いに焦点を当てます。本ケーススタディでは、特に行動パターンの一つ、オブザーバーパターンを取り上げます。このパターンは、オブジェクト間の依存関係を管理し、状態の変化を自動的に通知する仕組みを提供します。

コード例(Java)


import java.util.ArrayList;
import java.util.List;

// オブザーバーインターフェース
interface Observer {
    void update(String message);
}

// 具体的なオブザーバー
class ConcreteObserver implements Observer {
    private String name;

    public ConcreteObserver(String name) {
        this.name = name;
    }

    @Override
    public void update(String message) {
        System.out.println(name + " received: " + message);
    }
}

// サブジェクトインターフェース
interface Subject {
    void registerObserver(Observer observer);
    void removeObserver(Observer observer);
    void notifyObservers(String message);
}

// 具体的なサブジェクト
class ConcreteSubject implements Subject {
    private List observers = new ArrayList<>();

    @Override
    public void registerObserver(Observer observer) {
        observers.add(observer);
    }

    @Override
    public void removeObserver(Observer observer) {
        observers.remove(observer);
    }

    @Override
    public void notifyObservers(String message) {
        for (Observer observer : observers) {
            observer.update(message);
        }
    }
}

// メインクラス
public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        ConcreteSubject subject = new ConcreteSubject();
        Observer observer1 = new ConcreteObserver("Observer 1");
        Observer observer2 = new ConcreteObserver("Observer 2");

        subject.registerObserver(observer1);
        subject.registerObserver(observer2);

        subject.notifyObservers("Hello Observers!");
    }
}

コードの行ごとの解説

  1. オブザーバーインターフェースを定義し、状態更新のためのメソッドを宣言します。
  2. 具体的なオブザーバーであるConcreteObserverクラスを実装し、受信したメッセージを表示します。
  3. サブジェクトインターフェースを定義し、オブザーバーの登録、削除、通知のメソッドを宣言します。
  4. ConcreteSubjectクラスで、オブザーバーの管理と通知のロジックを実装します。
  5. メインクラスで、オブザーバーを登録し、メッセージを送信するシンプルなシナリオを作成します。

ケーススタディ編

架空のプロジェクトとして、リアルタイムの株価情報を提供するアプリケーションを考えます。このアプリでは、株価の変動をリアルタイムで監視し、ユーザーに通知する機能が求められています。オブザーバーパターンを使用することで、株価が変動した際に全ての登録されたオブザーバー(ユーザー)に通知を送ることが可能になります。

このケースでは、ユーザーがアプリに登録し、特定の株の価格を監視することができます。株価が変動するたびに、アプリはオブザーバーに通知を行い、ユーザーはその情報を受け取ることができます。ここでの落とし穴は、オブザーバーの数が増えることによるパフォーマンスの低下です。特に、多数のユーザーが同時に株価を監視している場合、通知処理の効率を考慮する必要があります。

まとめ

  • オブザーバーパターンは、オブジェクト間の依存関係を管理し、状態の変化を効率的に通知します。
  • リアルタイムアプリケーションにおいては、パフォーマンスの最適化が重要な課題です。