JavaScript中級

中級 JavaScriptで学ぶデザインパターン|ケーススタディ編

導入

最近のプロジェクトで、あるクライアントから複数のデータソースを統合し、ユーザーに対して一貫性のあるインターフェースを提供するシステムの構築を依頼されました。このシステムでは、異なるAPIからのデータを取得し、統一された形式で表示する必要があります。そこで、デザインパターンの中でも「ファサードパターン」を適用することにしました。ファサードパターンは、複雑なシステムの内部構造を隠蔽し、シンプルなインターフェースを提供するために有効です。

教科書レベルの解説(デザインパターン)

重要な概念の整理

ファサードパターンは、複数のインターフェースを持つシステムに対して、統一されたインターフェースを提供することで、クライアントコードの複雑さを軽減します。これにより、システムの利用が容易になり、メンテナンス性も向上します。特に、異なるAPIからデータを取得する場合、各APIの内部実装を意識せずに済むため、開発者はビジネスロジックに集中できます。

コード例(JavaScript)


class ApiService1 {
    fetchData() {
        return { data: "Data from API 1" };
    }
}

class ApiService2 {
    fetchData() {
        return { data: "Data from API 2" };
    }
}

class Facade {
    constructor() {
        this.apiService1 = new ApiService1();
        this.apiService2 = new ApiService2();
    }

    fetchData() {
        const data1 = this.apiService1.fetchData();
        const data2 = this.apiService2.fetchData();
        return { data1, data2 };
    }
}

// 使用例
const facade = new Facade();
const result = facade.fetchData();
console.log(result);

コードの行ごとの解説

  1. class ApiService1 { ... }:APIサービス1のクラスを定義します。
  2. fetchData() { ... }:APIからデータを取得するメソッドです。
  3. class ApiService2 { ... }:APIサービス2のクラスを定義します。
  4. class Facade { ... }:ファサードパターンの中心となるクラスです。
  5. fetchData() { ... }:内部のAPIサービスからデータを取得し、統合して返します。
  6. const facade = new Facade();:ファサードのインスタンスを作成します。
  7. const result = facade.fetchData();:ファサードを通じてデータを取得します。

ケーススタディ編

プロジェクトの初期段階では、APIサービスの数が少なく、シンプルな構成でした。しかし、クライアントの要求が増えるにつれて、APIが追加され、システムが複雑になりました。この際、ファサードパターンを利用することで、異なるAPIの実装を気にせずにデータを取得できる構造が整いました。特に、APIの変更があった場合でも、ファサードクラスの修正だけで済むため、メンテナンスの負担が大幅に軽減されました。

また、ファサードパターンを適用したことで、テストが容易になり、モックを使った単体テストがスムーズに行えるようになりました。しかし、注意が必要なのは、ファサードがあまりにも多くの機能を持ちすぎると、逆に複雑になる可能性がある点です。適切な責任範囲を設定し、必要に応じて他のデザインパターンと組み合わせることが求められます。

まとめ

  • ファサードパターンは、複数のAPIを統合する際に有効なデザインパターンです。
  • シンプルなインターフェースを提供することで、クライアントコードの複雑さを軽減できます。
  • メンテナンス性を向上させるためには、ファサードの責任範囲を明確にすることが重要です。