Python中級

中級 Pythonで学ぶドメイン駆動設計｜ケーススタディ編

 

導入

ドメイン駆動設計（DDD）は、ビジネスニーズをソフトウェアに反映させるための強力なアプローチです。特に中級から上級のエンジニアにとって、実務に即した理解と適用が求められます。本記事では、架空のプロジェクトを通じて、DDDの概念を具体的に探求します。

教科書レベルの解説（ドメイン駆動設計）

重要な概念の整理

ドメイン駆動設計は、ドメイン（ビジネス領域）を中心に据えてソフトウェアを設計する手法です。主要な要素として、エンティティ、バリューオブジェクト、アグリゲート、リポジトリ、サービスなどがあります。これらの要素を使って、ビジネスロジックを明確に表現し、変更に強い設計を目指します。

コード例（Python）


class Product:
    def __init__(self, name, price):
        self.name = name
        self.price = price

class Order:
    def __init__(self):
        self.products = []

    def add_product(self, product):
        self.products.append(product)

    def total_price(self):
        return sum(product.price for product in self.products)

# 使用例
if __name__ == "__main__":
    product1 = Product("Laptop", 1000)
    product2 = Product("Mouse", 50)
    order = Order()
    order.add_product(product1)
    order.add_product(product2)
    print(f"Total Price: {order.total_price()}")

コードの行ごとの解説

  1. class Product: – 商品を表すエンティティとしてProductクラスを定義。
  2. def __init__(self, name, price): – 商品の名前と価格を初期化するコンストラクタ。
  3. class Order: – 注文を管理するためのOrderクラスを定義。
  4. def add_product(self, product): – 注文に商品を追加するメソッド。
  5. def total_price(self): – 注文内の全商品の合計価格を計算するメソッド。
  6. if __name__ == "__main__": – スクリプトが直接実行された際のエントリーポイント。
  7. print(f"Total Price: {order.total_price()}") – 合計価格を出力する。

ケーススタディ編

架空のプロジェクトとして、オンラインストアの構築を考えます。プロジェクトの要件として、ユーザーが商品を選び、注文を行う機能が求められています。ここでのポイントは、ドメインモデルを適切に設計し、ビジネスロジックをクリーンに保つことです。

最初の設計段階で、エンティティとバリューオブジェクトの使い方に注意が必要です。例えば、価格はバリューオブジェクトとして扱うことができますが、通貨の扱いを考慮しないと、後々の変更に苦労することになります。このケースでは、価格のバリューオブジェクトに通貨情報を含めることで、柔軟性を持たせることが可能です。

まとめ

  • ドメイン駆動設計を用いることで、ビジネスロジックを明確に表現できる。
  • エンティティとバリューオブジェクトの役割を正しく理解し、適切に設計することが成功の鍵。
  • 実際のプロジェクトにおいては、柔軟性を持たせることが重要であり、将来的な要件変更に備えることが求められる。
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