Java中級

中級 Javaで学ぶデザインパターン｜解説編

 

導入

デザインパターンは、ソフトウェア開発における問題解決のための再利用可能なソリューションを提供します。特に中級から上級のプログラマーにとって、これらのパターンを理解し適切に活用することは、コードの品質やメンテナンス性を向上させる鍵となります。本記事では、特定のデザインパターンを具体的なシチュエーションに基づいて解説し、その実用性を探ります。

教科書レベルの解説（デザインパターン）

重要な概念の整理

デザインパターンは、特定の課題を解決するための設計上のアプローチを定義します。これには、生成に関するパターン、構造に関するパターン、振る舞いに関するパターンなどがあります。これらは、オブジェクト指向プログラミングの原則に基づいており、コードの再利用性や拡張性を高めることを目的としています。

コード例（Java）


public interface Shape {
    void draw();
}

public class Circle implements Shape {
    @Override
    public void draw() {
        System.out.println("Circle drawn");
    }
}

public class Square implements Shape {
    @Override
    public void draw() {
        System.out.println("Square drawn");
    }
}

public class ShapeFactory {
    public static Shape getShape(String shapeType) {
        if (shapeType == null) {
            return null;
        }
        if (shapeType.equalsIgnoreCase("CIRCLE")) {
            return new Circle();
        } else if (shapeType.equalsIgnoreCase("SQUARE")) {
            return new Square();
        }
        return null;
    }
}

コードの行ごとの解説

  1. public interface Shape { – Shapeインターフェースを定義し、全ての図形が共通のメソッドを持つことを保証します。
  2. public class Circle implements Shape { – CircleクラスはShapeインターフェースを実装し、具体的な描画方法を提供します。
  3. public class Square implements Shape { – SquareクラスもShapeインターフェースを実装し、異なる描画方法を提供します。
  4. public class ShapeFactory { – ShapeFactoryクラスは、必要な図形を生成するためのファクトリーメソッドを提供します。
  5. if (shapeType.equalsIgnoreCase(“CIRCLE”)) { – 入力された形状のタイプに基づいて、適切なオブジェクトを生成します。

解説編

この例では、ファクトリーパターンを用いて図形オブジェクトの生成を行っています。ファクトリーパターンは、オブジェクトの生成を専門に扱うクラスを作成することで、クライアントコードから生成の詳細を隠蔽します。このアプローチにより、新しい図形クラスを追加する際には、クライアントコードを変更することなく、ファクトリーメソッドを更新するだけで済むため、柔軟性が向上します。

ただし、ファクトリーパターンには注意が必要です。新しい図形を追加するたびに、ファクトリーメソッドを修正する必要があるため、依存関係が増加します。これを回避するためには、戦略パターンやオブザーバーパターンと組み合わせて、より動的な構造を持たせることが効果的です。

まとめ

  • デザインパターンは、特定の課題に対する効果的な解決策を提供します。
  • ファクトリーパターンは、オブジェクト生成を簡素化し、クライアントコードをクリーンに保つ役割を果たします。
  • 新しいクラスの追加に伴う依存関係の増加に注意し、他のデザインパターンと組み合わせることが重要です。
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