導入
オブジェクト指向設計は、ソフトウェア開発において非常に重要な役割を果たします。特に中級以上のエンジニアにとって、設計パターンや原則を理解し、実際のプロジェクトに応用することは避けて通れない道です。今回は、現場でよく遭遇する「顧客管理システム」を題材に、オブジェクト指向設計の具体的な適用方法を解説します。
教科書レベルの解説(オブジェクト指向設計)
重要な概念の整理
オブジェクト指向設計には、カプセル化、継承、ポリモーフィズムといった基本的な概念があります。これらを適切に活用することで、コードの再利用性や可読性を高めることが可能です。また、SOLID原則に基づいた設計を行うことで、将来的な変更や機能追加にも柔軟に対応できる設計が実現します。
コード例(Java)
class Customer {
private String name;
private String email;
public Customer(String name, String email) {
this.name = name;
this.email = email;
}
public void displayInfo() {
System.out.println("Name: " + name + ", Email: " + email);
}
}
class PremiumCustomer extends Customer {
private double discountRate;
public PremiumCustomer(String name, String email, double discountRate) {
super(name, email);
this.discountRate = discountRate;
}
@Override
public void displayInfo() {
super.displayInfo();
System.out.println("Discount Rate: " + discountRate + "%");
}
}
コードの行ごとの解説
- Customerクラス: 顧客の基本情報を管理するクラス。名前とメールアドレスをフィールドとして持つ。
- コンストラクタ: 顧客の情報を初期化するためのメソッド。オブジェクト生成時に必要な情報を受け取る。
- displayInfoメソッド: 顧客情報を表示するメソッド。基本的な情報を出力する。
- PremiumCustomerクラス: Customerクラスを継承したクラス。プレミアム顧客の特別な情報(割引率)を追加。
- オーバーライド: displayInfoメソッドをオーバーライドし、プレミアム顧客の情報を追加表示。
解説編
顧客管理システムの例では、基本的な顧客情報を管理するクラスと、特別な機能を持つプレミアム顧客クラスを作成しました。この設計は、オブジェクト指向の継承を利用しており、基本クラスの機能を拡張する形で新たな機能を追加しています。しかし、この設計には注意点があります。例えば、プレミアム顧客が増えるにつれて、特別な機能が増加すると、クラスが肥大化する可能性があります。これを防ぐためには、クラスの責務を明確にし、必要に応じてインターフェースを導入することが望ましいです。
まとめ
- オブジェクト指向設計の基本概念を理解し、実務に応用することが重要。
- 継承を利用する際は、クラスの肥大化を避ける工夫が求められる。