TypeScript中級

中級 TypeScriptで学ぶ例外設計|アンチパターン編

導入

例外設計は、アプリケーションの信頼性を高めるために不可欠な要素です。特に中級レベルのエンジニアにとって、実務で遭遇する具体的なシチュエーションを考慮した設計が求められます。本記事では、TypeScriptを用いた例外設計のアンチパターンに焦点を当て、一般的な失敗例を挙げながら、その改善策を探ります。

教科書レベルの解説(例外設計)

重要な概念の整理

例外設計とは、アプリケーションの動作中に発生するエラーや例外を適切に処理し、システム全体の安定性を確保するための手法です。特に、エラーが発生した際にどのようにユーザーにフィードバックを行うか、またどのようにシステム内部の状態を保つかが重要なポイントになります。例外処理を適切に行うことで、システムの健全性を保ちながら、開発者自身の負担も軽減できます。

コード例(TypeScript)


class User {
    constructor(public name: string, public age: number) {}
}

function getUser(id: number): User {
    if (id < 0) {
        throw new Error("Invalid user ID");
    }
    // ユーザー取得ロジックがここに入る
    return new User("John Doe", 30);
}

try {
    const user = getUser(-1);
    console.log(user);
} catch (error) {
    console.error(error.message);
}

コードの行ごとの解説

  1. クラスUserを定義し、名前と年齢のプロパティを持たせる。
  2. getUser関数を定義し、引数としてユーザーIDを受け取る。
  3. ユーザーIDが負の数の場合、エラーをスローする。
  4. ユーザー取得ロジックを実装し、正常なユーザーオブジェクトを返す。
  5. try-catchブロックを使用して、例外を捕捉しエラーメッセージを表示する。

アンチパターン編

例外設計においてよく見られるアンチパターンの一つは、エラーハンドリングを単純にコンソールに出力するだけで済ませてしまうことです。このアプローチは、エラーの発生を見逃す可能性があり、またユーザーに対する適切なフィードバックを欠いています。

以下は、このアンチパターンを示すコードの例です。


function getUserWithLogging(id: number): User {
    try {
        return getUser(id);
    } catch (error) {
        console.log("Error occurred:", error);
        // ユーザーに何もフィードバックしない
    }
}

このコードでは、エラーが発生した際にコンソールにログを出力するだけで、ユーザーには何の情報も伝わりません。このような設計は、特にユーザーエクスペリエンスを損なう結果となります。

改善策としては、ユーザーにエラーメッセージを表示し、次のアクションを提案することが考えられます。以下のように、エラーメッセージをユーザーに表示する方法が望ましいです。


function getUserWithFeedback(id: number): User | null {
    try {
        return getUser(id);
    } catch (error) {
        alert("ユーザーの取得に失敗しました: " + error.message);
        return null; // エラー時にはnullを返す
    }
}

この改善により、ユーザーは何が問題であったのかを理解し、次に何をすべきかを考えることができます。

まとめ

  • 例外設計は、システムの安定性を保つために重要な要素。
  • エラー発生時には、ユーザーに対する適切なフィードバックが必要。
  • 単なるログ出力ではなく、エラーメッセージを通じてユーザーをサポートすることが望ましい。