TypeScript中級

中級 TypeScriptで学ぶドメイン駆動設計｜解説編

 

導入

ドメイン駆動設計（DDD）は、ソフトウェア開発においてビジネスの複雑さを管理するための強力な手法です。特に中級エンジニアにとって、実際の業務における具体的なケーススタディを通じてこの概念を深く理解することが求められます。本記事では、TypeScriptを使用して、ドメイン駆動設計の重要な側面を探ります。

教科書レベルの解説（ドメイン駆動設計）

重要な概念の整理

ドメイン駆動設計は、ビジネスのドメインを中心にソフトウェアを設計することを目的としています。これは、ドメインモデルを通じてビジネスのルールやプロセスを反映させることを意味します。エンティティ、バリューオブジェクト、アグリゲート、リポジトリといった基本的な概念が中心となります。

特に、エンティティは識別可能なオブジェクトであり、バリューオブジェクトは属性の集合体として扱われます。アグリゲートは、エンティティとバリューオブジェクトを含む一貫性のある単位を形成し、リポジトリはデータの保存や取得を担います。

コード例（TypeScript）


class User {
    constructor(public id: string, public name: string) {}
}

class UserProfile {
    constructor(public user: User, public bio: string) {}
}

class UserRepository {
    private users: User[] = [];

    save(user: User): void {
        this.users.push(user);
    }

    findById(id: string): User | undefined {
        return this.users.find(user => user.id === id);
    }
}

const userRepo = new UserRepository();
const user = new User("1", "Alice");
userRepo.save(user);
const retrievedUser = userRepo.findById("1");
console.log(retrievedUser);

コードの行ごとの解説

  1. class User { ... } – ユーザーエンティティを定義します。IDと名前を持ちます。
  2. class UserProfile { ... } – ユーザーのプロフィールを表すバリューオブジェクトです。
  3. class UserRepository { ... } – ユーザーの保存と取得を管理するリポジトリです。
  4. save(user: User): void { ... } – ユーザーをリポジトリに保存します。
  5. findById(id: string): User | undefined { ... } – IDを使用してユーザーを検索します。
  6. const userRepo = new UserRepository(); – リポジトリのインスタンスを作成します。
  7. const user = new User("1", "Alice"); – 新しいユーザーを作成します。
  8. userRepo.save(user); – ユーザーをリポジトリに保存します。
  9. const retrievedUser = userRepo.findById("1"); – 保存したユーザーをIDで取得します。
  10. console.log(retrievedUser); – 取得したユーザーをコンソールに出力します。

解説編

ドメイン駆動設計を実践する際に直面することが多いのが、ビジネスロジックの複雑さです。特に、エンティティとバリューオブジェクトの使い分けが難しい場合があります。例えば、ユーザーのプロフィール情報は変更される可能性があるため、エンティティとして扱うことが適切です。一方、ユーザーの名前やメールアドレスは不変の特性を持つため、バリューオブジェクトとして設計することが望ましいです。このように、ドメインの特性を理解し、適切なモデルを選択することが成功の鍵となります。

まとめ

  • ドメイン駆動設計は、ビジネスの複雑さを管理するための手法です。
  • エンティティとバリューオブジェクトの使い分けが重要です。
  • TypeScriptを用いた具体的な実装を通じて、設計の理解が深まります。
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