JavaScript中級

中級 JavaScriptで学ぶテスト駆動開発｜ケーススタディ編

 

導入

テスト駆動開発（TDD）は、ソフトウェア開発の過程でバグを早期に発見し、品質を高めるための手法です。特に中級以上のエンジニアにとって、TDDは単なるテストの実施ではなく、設計や実装を改善するための強力なツールとして機能します。本記事では、架空のプロジェクトを通じて、TDDの実践的な適用方法を探ります。

教科書レベルの解説（テスト駆動開発）

重要な概念の整理

テスト駆動開発では、まずテストケースを作成し、その後に実装を行うという逆のアプローチを取ります。この手法により、開発者は要件を明確に理解し、コードの品質を保ちながら進めることができます。TDDのサイクルは、以下のステップで構成されます。

  • テストを書く
  • テストを実行し、失敗させる
  • 実装を行い、テストを通過させる
  • リファクタリングを行う

コード例（JavaScript）


// 数字の配列から最大値を返す関数
function findMax(arr) {
    if (!Array.isArray(arr) || arr.length === 0) {
        throw new Error("Invalid input");
    }
    return Math.max(...arr);
}

// テストケース
describe("findMax", () => {
    it("should return the maximum number from an array", () => {
        expect(findMax([1, 2, 3, 4, 5])).toBe(5);
    });
    
    it("should throw an error for invalid input", () => {
        expect(() => findMax([])).toThrow("Invalid input");
        expect(() => findMax(null)).toThrow("Invalid input");
    });
});

コードの行ごとの解説

  1. 関数 `findMax` は、配列を引数として受け取ります。
  2. 最初に、引数が配列であり、かつ空でないことを検証します。
  3. 条件を満たさない場合は、エラーメッセージをスローします。
  4. `Math.max` を使用して、配列内の最大値を返します。
  5. テストケースでは、正常系と異常系を確認します。

ケーススタディ編

ある企業では、数値データを分析するための小さなアプリケーションを開発しています。このアプリケーションでは、ユーザーが入力した数値の配列から最大値を求める機能が求められています。開発チームは、TDDを採用することに決め、最初にテストケースを作成しました。

最初の実装では、配列の長さや型の検証が不十分で、予期しない入力に対するエラーハンドリングが欠けていました。このため、ユーザーが無効なデータを入力した際にアプリケーションがクラッシュするという問題が発生しました。この落とし穴を克服するために、テストを通じて要件を明確にし、エラーチェックを強化することができました。

結果として、TDDを通じてコードの品質が向上し、開発の初期段階からバグを排除することができました。このプロジェクトは、TDDの有用性を実感する良い例となりました。

まとめ

  • TDDは、開発の初期段階でバグを発見しやすくする手法です。
  • テストケースを先に作成することで、要件の理解が深まります。
  • 実装時には、エラーハンドリングを強化することが重要です。
RELATED POST