Java上級

上級 Javaで学ぶリファクタリング｜解説編

 

導入

リファクタリングは、コードの可読性や保守性を向上させるために行われる重要な技術です。特にJavaのようなオブジェクト指向言語では、リファクタリングの手法が多岐にわたります。本稿では、実務に即した具体的なシチュエーションを通じて、リファクタリングの重要性とその実践方法を探ります。

教科書レベルの解説（リファクタリング）

重要な概念の整理

リファクタリングは、コードの機能を変更することなく、内部構造を改善するプロセスです。これにより、将来的な変更や機能追加が容易になり、バグの発生を抑えることができます。リファクタリングには、メソッドの抽出、クラスの分割、変数名の変更など、さまざまな手法があります。また、リファクタリングを行う際には、単体テストや統合テストを実施し、リファクタリング後も動作が正しいことを確認することが肝要です。

コード例（Java）


public class Order {
    private List items;

    public Order(List items) {
        this.items = items;
    }

    public double calculateTotal() {
        double total = 0;
        for (Item item : items) {
            total += item.getPrice() * item.getQuantity();
        }
        return total;
    }

    public void addItem(Item item) {
        items.add(item);
    }

    public void removeItem(Item item) {
        items.remove(item);
    }
}

コードの行ごとの解説

  1. public class Order { – 注文を表すクラスの開始。
  2. private List items; – 注文に含まれるアイテムのリストを保持。
  3. public Order(List items) { – コンストラクタでアイテムリストを初期化。
  4. public double calculateTotal() { – 合計金額を計算するメソッドの開始。
  5. double total = 0; – 合計金額の初期化。
  6. for (Item item : items) { – アイテムリストをループ処理。
  7. total += item.getPrice() * item.getQuantity(); – 各アイテムの価格と数量を掛け算して合計に加算。
  8. return total; – 計算された合計金額を返す。
  9. public void addItem(Item item) { – アイテムを追加するメソッドの開始。
  10. items.add(item); – リストにアイテムを追加。
  11. public void removeItem(Item item) { – アイテムを削除するメソッドの開始。
  12. items.remove(item); – リストからアイテムを削除。

解説編

上記のコードは、基本的な注文管理機能を実装したクラスですが、リファクタリングの余地があります。例えば、calculateTotal メソッドは、アイテムの価格と数量を掛け算するロジックが直接記述されています。これを別メソッドに抽出することで、コードの可読性が向上します。また、アイテムの追加や削除の操作も、リストの操作に依存しているため、将来的にアイテムの管理方法が変更された場合に影響を受けやすい設計です。リファクタリングを行う際には、こうした依存関係を考慮し、より柔軟な設計に変更することが求められます。

まとめ

  • リファクタリングは、コードの可読性と保守性を向上させるための重要な手法。
  • 具体的なシチュエーションに基づいたリファクタリングの実践が、実務において効果的。
  • 依存関係を考慮した柔軟な設計が、将来の変更を容易にする。
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