導入
デザインパターンは、ソフトウェア開発における問題解決の手法として広く用いられています。特に中級レベルのエンジニアにとっては、これらのパターンを実際のプロジェクトに適用することが求められます。今回は、C#を使用した具体的なケーススタディを通じて、デザインパターンの実践的な適用方法を探ります。
教科書レベルの解説(デザインパターン)
重要な概念の整理
デザインパターンは、特定の問題に対する一般的な解決策を提供します。これには、構造的パターン、行動パターン、生成的パターンの3つのカテゴリがあります。ここでは、特に行動パターンに焦点を当て、オブザーバーパターンを取り上げます。このパターンは、オブジェクト間の一対多の依存関係を定義し、あるオブジェクトの状態が変わると、それに依存するオブジェクトに通知する仕組みを提供します。
コード例(C#)
using System;
using System.Collections.Generic;
public interface IObserver
{
void Update(string message);
}
public class ConcreteObserver : IObserver
{
private string name;
public ConcreteObserver(string name)
{
this.name = name;
}
public void Update(string message)
{
Console.WriteLine($"{name} received message: {message}");
}
}
public class Subject
{
private List observers = new List();
public void Attach(IObserver observer)
{
observers.Add(observer);
}
public void Detach(IObserver observer)
{
observers.Remove(observer);
}
public void Notify(string message)
{
foreach (var observer in observers)
{
observer.Update(message);
}
}
}
public class Program
{
public static void Main()
{
Subject subject = new Subject();
ConcreteObserver observer1 = new ConcreteObserver("Observer 1");
ConcreteObserver observer2 = new ConcreteObserver("Observer 2");
subject.Attach(observer1);
subject.Attach(observer2);
subject.Notify("Hello Observers!");
}
}
コードの行ごとの解説
- using System; 及び using System.Collections.Generic;:必要な名前空間をインポートします。
- public interface IObserver:オブザーバーのインターフェースを定義し、更新メソッドを宣言します。
- public class ConcreteObserver:具体的なオブザーバーを実装し、通知を受け取る処理を実装します。
- public class Subject:オブザーバーを管理する主体クラスで、オブザーバーの追加・削除・通知機能を持ちます。
- public void Notify(string message):全てのオブザーバーに対してメッセージを通知します。
- public static void Main():プログラムのエントリーポイントで、オブザーバーを作成し、通知を行います。
ケーススタディ編
架空のプロジェクトとして、オンラインショッピングサイトを考えます。このサイトでは、商品が在庫切れになった際に、ユーザーに通知を行う機能が求められています。オブザーバーパターンを利用することで、在庫状況を監視するオブザーバーを実装し、在庫が変化した際に関連するユーザーに通知を送信します。
このケースにおいての落とし穴は、オブザーバーの数が増えすぎると、通知の管理が煩雑になることです。特に、オブザーバーが非同期で動作する場合、通知の順序が保証されないことがあります。これを避けるためには、オブザーバーの登録時に優先順位を設定するか、通知をキューに入れて処理する方法が考えられます。
まとめ
- オブザーバーパターンは、状態の変化を効率的に管理するための強力な手法です。
- 実際のプロジェクトでの適用には、オブザーバーの数や通知の管理に注意が必要です。