TypeScript上級

上級 TypeScriptで学ぶリファクタリング｜練習問題編

 

導入

リファクタリングは、コードの可読性や保守性を向上させるための重要なプロセスです。特に上級エンジニアにとって、実務で遭遇するさまざまなシチュエーションにおいて、リファクタリングの適用は避けて通れません。本記事では、TypeScriptを使用した具体的なリファクタリングのケーススタディを通じて、現場で役立つ視点を提供します。

教科書レベルの解説（リファクタリング）

重要な概念の整理

リファクタリングは、機能を変更せずにコードの構造を改善することを指します。これにより、バグの発生を抑え、将来的な機能追加や修正を容易にします。上級エンジニアは、リファクタリングを通じて、コードの複雑さを減らし、チーム全体の生産性を向上させる役割を担います。

コード例（TypeScript）


class User {
    constructor(public name: string, public age: number) {}

    getDetails() {
        return `${this.name} is ${this.age} years old.`;
    }
}

class UserManager {
    private users: User[] = [];

    addUser(user: User) {
        this.users.push(user);
    }

    getAllUsers() {
        return this.users.map(user => user.getDetails());
    }
}

// 使用例
const manager = new UserManager();
manager.addUser(new User("Alice", 30));
manager.addUser(new User("Bob", 25));
console.log(manager.getAllUsers());

コードの行ごとの解説

  1. クラス定義: Userクラスは、ユーザーの名前と年齢を持ち、その詳細を取得するメソッドを提供します。
  2. ユーザー管理: UserManagerクラスは、ユーザーのリストを管理し、新しいユーザーを追加するメソッドと、全ユーザーの詳細を取得するメソッドを持っています。
  3. メソッドの分離: getDetailsメソッドは、ユーザーの詳細を文字列として返すため、UserManagerクラスのgetAllUsersメソッドは、ユーザーの詳細を取得する際に、各Userインスタンスのメソッドを呼び出します。
  4. 拡張性: この設計は、将来的にユーザーの属性が増えた場合でも、Userクラスのメソッドを変更するだけで済むため、柔軟性があります。

練習問題編

以下の練習問題を通じて、リファクタリングの理解を深めてください。

  1. 問題1: Userクラスにメールアドレスのプロパティを追加し、getDetailsメソッドを修正してください。
  2. 模範解答: 
    
class User {
    constructor(public name: string, public age: number, public email: string) {}

    getDetails() {
        return `${this.name} is ${this.age} years old. Email: ${this.email}`;
    }
}
  3. 問題2: UserManagerクラスに、特定の年齢以上のユーザーを取得するメソッドを追加してください。
  4. 模範解答: 
    
getUsersAboveAge(age: number) {
    return this.users.filter(user => user.age > age).map(user => user.getDetails());
}
  5. 問題3: UserManagerクラスのaddUserメソッドに、重複ユーザーを追加しないようなバリデーションを追加してください。
  6. 模範解答: 
    
addUser(user: User) {
    if (!this.users.some(existingUser => existingUser.email === user.email)) {
        this.users.push(user);
    }
}

まとめ

  • リファクタリングは、コードの可読性と保守性を向上させるために不可欠です。
  • 具体的なケーススタディを通じて、実務に役立つリファクタリングの手法を学びました。
  • 練習問題を通じて、実際の業務に即したリファクタリングのスキルを磨くことができます。
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